2022年に史上最年少で三冠王に輝いた、ヤクルトスワローズの主砲村上宗隆選手。
日本人シーズン本塁打記録を更新する56本の本塁打を放ち、日本中が歓喜に沸きました。
村上宗隆選手は本塁打数ばかりが話題になりますが、チームの4番打者としてふさわしい打率も残しています。
入団1年目こそシーズンのほとんどを二軍で過ごしましたが、シーズン終盤にようやく一軍デビューを果たしています。
それから徐々にプロ野球選手としての技術を磨き、本塁打はもちろん、打率推移も上がっていきます。
三冠王となった2022年には打率.318の高打率で初めて首位打者のタイトルを獲得しました。
村上宗隆選手の打率推移について、シーズンごとに詳しく見ていくとともに、2023年シーズン、どのような打率を記録しているのか紹介します。
村上宗隆選手の打率推移
入団1年目はプロの高いレベルを痛感しながらも、プロ初打席で本塁打
村上宗隆選手は2017年オフのドラフト会議でヤクルトスワローズに1位指名され、入団します。
球団の方針もあり、1年目は二軍のヤクルト戸田球場で鍛え上げられます。
ようやく一軍昇格となった9月26日、神宮球場での広島東洋カープ戦では、プロ初打席初本塁打を放ち、華々しいデビューを飾ります。
神宮球場は東京音頭が鳴り響き、すごい大歓声でしたね。
しかしこのシーズンに放った安打はこの1本のみ。
打率も.083と、プロのレベルの高さを痛感します。
しかしこの苦い経験が、村上宗隆選手のその後の驚異的な躍進につながりました。
初めてフルシーズン出場。早くも本塁打を量産するが、三振の数も増える
2年目、2019年のシーズンは1年間通して一軍の試合に出場しました。
その長打力が早くも開花し、36本の本塁打を放ち、チームの主砲として活躍をしました。
しかし、同時に184個の三振を喫し、日本人シーズン三振記録・セリーグシーズン三振記録をともに更新してしまいます。
その為、「本塁打も多いが三振も多い」という印象が強く残りました。
打率も.231と、規定打席到達者の中では一番低い打率となりました。
それでも、オールスターに初選出され、セリーグの新人王に選ばれるなど、プロ野球界の新しいスターとして順調に成長していきます。
4番打者として開花。最高出塁率のタイトルとともに初めて打率3割を記録
3年目、2020年のシーズンは、初めて開幕戦から4番に座ります。
そして全試合4番打者として出場し、打率は.307と初めて3割を超えました。
同時に.427の出塁率を記録し、初タイトルとなる最高出塁率を獲得します。
高校卒業してから3年目、20歳で早くもチームの主砲・4番打者としての風格も漂い、年俸も1億円を超えるなど、大躍進の1年となりました。
この頃から、ヤクルトスワローズはもちろんのこと、これからの新しい日本代表の4番打者として、大きな存在感を示し始めます。
チームの主砲としての重圧に耐え涙の日本一。打率は下げたが本塁打王に輝く
2021年は前年まで2年連続最下位だったヤクルトスワローズが大躍進をしました。
6年ぶりのセリーグ優勝、そして20年ぶりの日本一に輝きます。
村上宗隆選手も前年同様全試合に4番打者として出場し、チームの優勝に大きく貢献します。
打率こそ.278と3割を割ってしまいましたが、39本の本塁打を放ち、読売ジャイアンツの岡本和真選手と同数で初の本塁打王となりました。
若干21歳でチームの大黒柱となり、主砲としてのプレッシャーと闘い続けた村上宗隆選手。
日本一を決めた瞬間、髙津監督の胴上げを前にナインと抱き合い涙を流すその姿には、多くのファンの心が熱くなりました。
もちろん、シーズン終了後には文句なしにセリーグMVPに選ばれています。
最年少の三冠王に日本人最多56本塁打。記録尽くめの一年は2度目の3割達成
2022年のシーズン、ヤクルトスワローズは2年連続でセリーグを制覇します。
村上宗隆選手の打撃は最高峰に達し、最終的にはシーズン日本人最多本塁打の56本塁打を記録。
打率も.318を記録し、令和初・史上最年少の三冠王となります。
「村神様」と呼ばれ、日本中のプロ野球ファンが村上宗隆選手のそのバッティングに熱狂した一年でした。
しかし、シーズン後半から徐々に成績が下降し、驚異的なペースで量産していた本塁打も一気にペースダウン。
シーズン最終戦でなんとか56本塁打に達したものの、ここに至るまでの疲労感からかスランプに陥ります。
日本シリーズでもオリックスバファローズ投手陣に抑えられ、日本一を逃してしまいました。
それでも、「村神様」の愛称はその年の流行語大賞にも選ばれるなど、誰もが認める日本を代表するプロ野球選手となりました。
不振を極めた2023年シーズン。今後の奮起に期待!
2023年3月に開かれたwbcでは前年後半からの不調を引きずり、途中から4番を外されることとなりました。
その中でも、準決勝のイタリア戦でサヨナラ打、決勝のアメリカ戦では本塁打を放つなど、圧倒的な存在感を見せ、世界一に貢献します。
しかし、シーズンに入るとこれまで蓄積された疲労とともに相手チームの投手に研究されたこともあり、不振を極めます。
打率も2割を割ってしまう時期があるなど、前年までの村上宗隆選手のずっと上り調子だった打率推移からは想像もできない成績となります。
チームも村上宗隆選手の不振が響き、下位に低迷しています。
シーズン後半に入り徐々に調子を戻してきたものの、まだ本調子とは言えず、打率も2割半ばを推移しています。
残りのシーズンでどれだけ盛り返すことができるか、ファンも見捨てずに応援を続けています。
村上宗隆選手の打率推移【まとめ】
村上宗隆選手の入団1年目から2023年シーズン後半に至るまでの打率推移を紹介してきました。
主砲としての成長とともに打率推移も順調に上げてきたことがわかりますが、当然相手チームも警戒・研究してきます。
ライバルに打ち勝ち、またチームの勝利に貢献する大活躍を見せてくれることをファンは信じて、応援し続けています。
ただ、これらの試練は、若い村上宗隆選手にとっては今後の日本プロ野球の歴史に残る大打者となる一つのプロセスです。
まずは2023年の残りのシーズン、少しでもファンの心を熱くさせるような豪快なバッティングを期待しましょう。