ヤクルトスワローズのホームベースを守る正捕手、中村悠平選手。
今やヤクルトスワローズだけではなく日本を代表する名捕手となりました。
その中村悠平選手ですが、爪にネイルをつけている様子が、テレビの中継などを通して見受けられます。
世界一となった2023年のwbcでも黄色いネイルを爪に着けて試合に臨んでいました。
同じように、福岡ソフトバンクホークスの甲斐拓也選手なども、よく爪に黄色やピンクのネイルをつけていることがあります。
実は、このネイルはおしゃれのためではなく、投手や野手に自分が出すサインを見やすくするためのものなのです。
今回は捕手がつけるネイルや、捕手の爪事情に関して、詳しく紹介します。
中村悠平選手が爪にネイルをする理由とは?
サインを見やすくするため、捕手が爪に着けるネイルシール
まず、捕手が爪につけるもの。
それは、ネイルシールと呼ばれるものです。
中村悠平選手をはじめ、多くの捕手がネイルシールをつけてプレーする理由は、捕手が出すサインをマウンドにいる投手が見やすくするためです。
捕手は自分がサインを出す際には、指の動きを察知されないように、グラブで手を覆い隠すようにして投手にサインを送ります。
その為、特にナイターなど夜間の試合では、ホームから18.44m離れた投手が少しでも指の動きを見やすくするために、爪に色のついたネイルシールを施すのです。
視力が弱い投手もいるので、そういったハンデに対する配慮でもあるのでしょうね。
捕手の出すサインは、守る野手のポジショニングを決める手がかりに
捕手の出すサインは、投手だけではなく、投手の後ろで守る野手にも伝えられます。
投手がどのようなコースでどんな球を投げるのかを知ることにより、細かな守備位置の調整を行うためです。
ポジショニングの上手な内野手・外野手は名手と言われますが、そのポジショニングは捕手の出すサインをもとにして、決めているのです。
そのため、捕手が爪にネイルを施す理由は投手だけではなく、野手にもそのサインが伝わることを目的としています。
これぞプロ!という野手のファインプレーは、捕手の指の動きをしっかりと確認するところから始まっているのですね。
球場で観戦する際には、投手がサインを見るその後ろで、野手が何をしているのかをチェックするのも面白いかもしれません。
色で使い分けるアスリートネイル、MLBが主流のゲームサインステッカー
そのネイルシールですが、プロ野球選手の多くが使用しているのはアスリートネイルと言って、実際にスポーツメーカーから販売されています。
アスリートネイルは日本のメーカーで、色はピンク・黄色・白色の3種類販売されています。
捕手が爪にネイルをつける理由が、投手や野手に自分の出すサインを見やすくさせるためなので、その色は主に蛍光色となっています。
一番見えやすい黄色のシールを使用している選手が多いようですが、リードする投手の感覚によって色を使い分けたり、屋内・屋内といった球場の状況や、デーゲーム・ナイターなどの時間帯に応じて使う色を変えることもあるそうです。
他にもゲームサインステッカーというネイルシールも販売されています。
こちらはアメリカのメーカーとなり、パッケージにも「MLBプレーヤー愛用」と書かれています。
効能の差はあまりないと思われますが、アメリカ人と日本人とでは爪の質感が異なるため、基本的には日本人は日本のメーカー品を使用することが多いようです。
なお、高校野球ではまだネイルシールは一般的ではないため、高校生が使用する場合は念のため事前の確認が必要です。
捕手も爪が大事!マニキュアで爪の怪我を防止する選手も
捕手が出すサインを見やすくするために爪に施されるネイルですが、その他にも実際にマニキュアを塗って、自分の爪を守ることもあります。
実は捕手は試合中、投手と同じくらい球を投げます。
投球を受けた後に投手に返球するためですね。
そして、相手チームの選手が盗塁を仕掛けた時には素早く二塁または三塁に送球します。
そのため、投手と同じくらい爪に負担がかかります。
こういった理由から、爪の怪我を防ぐため、マニキュアを塗ることも多いようです。
投手が爪が割れて降板を余儀なくされたということはたびたび起こりますが、捕手としても爪を守ることは投手と同じくらい大切なことなのですね。
中村悠平が爪にネイルをする理由とは?【まとめ】
捕手がつけている黄色やピンクのネイルは、自分の出すサインを投手や野手が見えやすくするためのものでした。
2023年のwbcでも正捕手として投手陣をリードしたヤクルトスワローズの中村悠平選手は、試合ではピンクや黄色のネイルを選ぶことが多いようですね。
SNSでも捕手陣のネイルが話題になったこともありました。
その理由を深く掘り下げていくと、また一つ野球を見る楽しさが増します。
現在、日本のプロ野球界ではNo1の捕手となった中村悠平選手。
その存在感は、リードや強肩に必要な頭脳と技術、そして細やかな体への工夫があるからこそですね。
これからは中村悠平選手のプレーだけでなく、爪の色にも注目しながら、応援するのはいかがでしょうか。