2023年シーズン、中日ドラゴンズの主軸として期待されたアキーノ選手。
メジャー通算41本塁打と実績があり、貧打に悩む竜打線を救ってくれると予想していました。
3月に行われた侍ジャパンとの練習試合で本塁打を放ち、アキーノ選手の活躍を確信しましたが、シーズンが始まると成績が上向かず。
5月以降、1軍の舞台に戻ってくることはなく、わずか20試合の出場でチームを去りました。
そこで今回は、アキーノ選手が退団する理由の1つにもなったエラーについて書いていきます。
打撃で苦しんだことに加え、守備でも厳しいものがあったことから、1年で退団することになったと考えています。
アキーノ選手に求められていたもの
アキーノ選手は外野手で、守備位置はライトとレフトを守りました。
開幕戦ではライトで出場し、4月15日の巨人戦からレフトにポジションを移しました。
エラーは3つ。
内野手に比べて、エラーする回数が少ない外野手ですが、1ヶ月で3つのエラーを記録したことは、アキーノ選手の立場を苦しくしました。
それでも、アキーノ選手に求められているのは、抜群に上手い守備ではなく、長打を次々に放つ打撃です。
守備に目を瞑っても、打撃で取り返してくれると期待していました。
立浪和義監督の起用法をみても、守備に比重は置かず、打撃のみに期待していると感じました。
過去の外国人選手と比べると
アキーノ選手が飛び抜けてエラーが多かったというわけではありません。
過去、中日ドラゴンズにやって来た外国人選手は、守備より打撃を期待されている選手が多いです。
アルモンテ選手やゲレーロ選手など、守備が決して上手いとはいえない選手も多く在籍していました。
打撃が期待されてチームに加入したアキーノ選手。
ファンの間でも、守備面を重視する人は少なかったように思います。
私も守備は重視せず、打撃内容だけに集中していました。
エラーをしても、本塁打を放てばOKの選手だと思っていました。
エラー覚悟の起用?
試合前のシートノックを見ると、打球の追い方は難がありましたが、肩は非常に強かったです。
どこまでも伸びるような、低くて早い送球を繰り返し、素質の高さをみせていました。
飛球の追い方、クッションボールの処理でもたつくことが多く、上手いとは思いませんでしたが、歴代の外国人と同じくらいの守備力だと感じました。
エラーが増えることは仕方がない。
春季キャンプの守備練習、シートノックを見れば、首脳陣もある程度のエラーは覚悟しているように思いました。
そうでなければ、アキーノ選手をスタメンで使うことはありません。
エラーが2軍降格の原因ではない
エラーは多かったですが、守備が下手だと烙印を押されて2軍降格したわけではないと思います。
期待された打撃面の不振が主な原因だと考えています。
20試合の出場で、本塁打はわずか1本。
68打席に立ち、三振が半数近い32個と、主軸を任せられるような成績ではありませんでした。
開幕して5試合は4番を担っていましたが、スタメン落ちを経験し、最後に出場した4月30日の試合では7番を打ちました。
貧打に悩む竜打線を救うことを求められていたアキーノ選手ですが、打撃の不調が解消されない以上、2軍降格は仕方がないことでした。
2軍で見たアキーノ選手の姿
2軍でも代打で出場するなど、出番が限られたアキーノ選手。
1度、現地でアキーノ選手を見ましたが、代打であっけなく三振に倒れ、スタンドから飛ぶ野次を静かに浴びていました。
2メートル近い身長ながら、背中を丸め、小さく唸るような声を出し、ヘルメットを叩いた姿は忘れられません。
異国の地で苦労し、試行錯誤している姿が痛いほど伝わってきましたが、最後まで日本の野球にフィットすることができませんでした。
アキーノのエラーについて【まとめ】
今回は、アキーノ選手のエラーについて書きました。
シートノックで矢のような送球を見せ、強肩を披露しましたが、飛球の追い方、クッションボールの処理は改善の余地がありました。
エラーが増えることは明らかで、記録に残らないエラーも多々ありました。
ただ、飛び抜けて守備が下手というわけではなく、歴代の外国人選手と同じような守備をしていました。
期待された打撃で活躍することができず、1年で退団したアキーノ選手。
打撃成績が良ければ、強肩を生かした守備にも注目が集まっていたかと思うと、非常に惜しい選手だったと感じます。