オリックスが球場を2つ持っているのはなぜか?近鉄との合併にその理由があった!

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2021年から3年連続でパリーグを制覇したオリックスバファローズ。

その本拠地は大阪市にある京セラドーム大阪です。

ところが、2021年の日本シリーズ第6戦では、ほっともっとフィールド神戸を使用しました。

これは、新型コロナウイルスの感染拡大で日程が当初の予定よりも遅れたことにより、他のイベントと日が重なり、京セラドーム大阪が使えなかったためでした。

ほっともっとフィールド神戸は、前身のオリックスブルーウェーブ時代に本拠地として使用されていた球場です。

実はオリックスは近鉄バファローズと合併した2005年から3年間、京セラドーム大阪とほっともっとフィールド神戸の2つの球場を本拠地としていました。

今回はオリックスが2つの球場を本拠地としていた理由や、現在の本拠地などについて詳しく解説します。

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目次

オリックスの球場が2つあるのはなぜ?

近鉄との合併から3年間は大阪と兵庫のダブルフランチャイズ制

2004年、オリックスブルーウェーブは、近鉄バファローズと合併します。

合併に当たり、兵庫県を保護地域とするオリックスと、大阪府を保護地域とする近鉄でどちらを本拠地とするか議論されました。

結果、暫定措置として、2005年から2007年までの3年間、ほっともっとフィールド神戸(当時の球場名はスカイマークスタジアム)と京セラドーム大阪(当時の球場名は大阪シティドーム)のダブルフランチャイズ制としました。

この措置により、オリックスは本拠地球場を2つ有することとなりました。

ただ、野球協約では本拠地球場は1つと定められているため、正式には京セラドーム大阪が本拠地として登録されています。

合併当初は神戸と大阪で半々の試合を行いましたが、徐々に比率を大阪に移し、3年後の2008年からは京セラドーム大阪に本拠地を1本化しました。

ただし、その後もほっともっとフィールド神戸を準本拠地扱いとし、年間数試合の公式戦を開催しています。

震災復興やイチロー選手の誕生など、オリックスは神戸市民の誇りだった

2023年は阪神タイガースとの日本シリーズが行われるなど、大阪の街は大いににぎわいました。

そのことから、今の野球ファンはオリックス=大阪のチームという印象が強いのではないでしょうか?

もともとオリックスは、西宮球場を本拠地としていた前身の阪急ブレーブスの頃から、兵庫県のチームとして一時代を築きました。

(ちなみに阪神タイガースも正確には兵庫県のチームです)

球団がオリックスとなった後は、神戸を本拠地と定めます。

1995年1月17日に起きた阪神・淡路大震災で甚大な被害を受けた神戸市民の心の支えとなり、「がんばろうKOBE」を合言葉に、同年見事パリーグ制覇。

翌1996年には日本一となり、神戸の街は大いに盛り上がりました。

オリックスを代表するレジェンドと言えば何といってもイチロー選手です。

緑の芝生に生える51番の青いユニフォームは、まさに当時のオリックスの象徴でした。

今でも神戸の野球ファンの心に焼き付いているのではないでしょうか。

そのような歴史からも、安易に神戸を切り捨てるわけにはいかなかったのでしょうね。

近鉄バファローズと同様、経営が苦しかった京セラドーム大阪

2000年オフにイチロー選手がポスティングでメジャーリーグへ移籍すると、チームは弱体化し、観客動員も減少の一途をたどります。

同じく経営難となっていた近鉄バファローズと2004年に合併。

当時はパリーグの他の球団でも合併話が行われるなど、プロ野球再編問題として大きな騒動となりました。

近鉄バファローズが本拠地としていたのは、大阪市にある京セラドーム大阪です。

大阪市主体の第三セクターとして建設され、最新鋭の設備が整った近代的な球場でした。

しかし、11億円とも言われた年間使用料が近鉄バファローズの経営を圧迫した要因の一つとされています。

近鉄バファローズ同様、京セラドーム大阪自体の経営も悪化し、2004年11月に特別調停、2005年10月に経営破綻します。

その後2006年に近鉄と合併したオリックスが経営権を握り、本拠地を京セラドーム大阪に1本化しました。

球団とともに、時代の荒波に揺さぶり続けられた球場でしたが、今ではスタンドは満員となり、大きな歓声が飛ぶ光景を見ると、感慨深いですね。

準本拠地として、本拠地とは別の球場で主催試合を行うチームもある

プロ野球でダブルフランチャイズ制をとっていたチームは、オリックスの他には例がありません。

ただし、準本拠地という扱いで、シーズン中、他球場で数試合主催試合を開催することはあります。

阪神タイガースは京セラドーム大阪を準本拠地として定め、高校野球開催時期などに主催ゲームを行っています。

また、明確な準本拠地ではありませんが、本拠地が移転した後に、以前本拠地にしていた球場で数試合の主催試合を行うこともあります。

現在北海道に本拠地を置く日本ハムファイターズは、2003年までは東京都にある東京ドームを本拠地としていました。

翌年から札幌市にある札幌ドームへ移転することになりますが、これまで応援してくれた東京のファンの思いにこたえるため、年間数試合東京ドームで主催試合を開催しています。

ただ、形式的とは言え、同時に2つの球場を本拠地としていたのは、2005年から2007年のオリックスバファローズだけということになります。

オリックスの球場は2つあるの?【まとめ】

オリックスの本拠地が2つあった理由は、近鉄との合併により保護地域が大阪と神戸の2つとなり、段階的に1本化するための措置でした。

こうしてみると、改めて球団の合併によって多くの影響を生んでしまうことがわかりますね。

地域とプロスポーツ球団との理想的な関係性と讃えられた神戸時代のオリックス。

そして長い低迷期を経て、パリーグ最強チームとなった大阪のオリックス。

現監督の中島聡監督は、そのいずれも経験した、稀有な存在です。

様々な苦難を乗り越え、改めて大阪という地域と一体化したオリックスの快進撃は、まだまだ続きそうですね。

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