2023年のゴールデングラブ賞が発表され、それぞれのポジションの守備職人達が選ばれました。
中日ドラゴンズからは外野手の岡林勇希選手が唯一選出。
プロ4年目とまだキャリアは浅いですが、2年連続でゴールデングラブ賞を受賞しました。
中日ドラゴンズの中で、岡林選手の次にゴールデングラブ賞のタイトルに近い守備職人がいます。
プロ3年目のシーズンを終えた内野手の龍空選手です。
抜群の身体能力を生かし、見る者を魅了する龍空選手の守備力は、球界でもトップクラスです。
そこで今回は、龍空選手の2023年の守備成績を振り返りながら、ゴールデングラブ賞への道を探っていきます。
龍空選手のポジションと守備率は?
2023年シーズン、龍空選手は自己最多となる114試合に出場。
打率1割8分7厘と打撃面で大きく苦しみましたが、打撃を補う高い守備力が評価され、首脳陣から起用され続けました。
本職のショートでは96試合に出場。
体を目一杯使ったダイナミックなプレーを連発し、球場を大いに沸かせた1年となりました。
常人離れした身のこなし、打球が吸い付くようなグラブさばきは最高峰。
8失策を犯したとはいえ、ゴールデングラブ賞獲得の可能性があると考えていました。
守備率は9割7分8厘。
セ・リーグのショート部門で、ゴールデングラブ賞を獲得した阪神タイガースの木浪聖也選手の守備率は9割8分2厘とわずかに及ばず。
取材歴5年以上の記者による投票で受賞が決まるため、リーグ優勝した阪神タイガースでの貢献度と、2年連続最下位に沈んだ中日ドラゴンズでの貢献度を比べられた可能性があります。
失策しなかった割合を示す守備率で大きく離されているわけではありませんが、木浪選手157票、龍空選手8票と、投票数では大きく差を広げられました。
龍空のポジション変更が打撃
その要因の1つとして、シーズン終盤にセカンドへポジションを変更したことが挙げられます。
龍空選手の守備力はチームトップクラスでしたが、いつまでも打撃の状態が上向きませんでした。
その時、来日1年目のカリステ選手が打撃の状態を上げ、ショートのポジションを奪いました。
龍空選手は追いやられるようにセカンドの守備に就き、シーズンを終えました。
セカンドとして19試合に出場した龍空選手は、失策なしでシーズン終了。
さすがの守備の上手さと対応力をみせましたが、シーズン途中にポジションを変更したことで、木浪選手に大きく票を離されたと考えています。
出場試合数が違うとはいえ、二遊間のどちらも守ることができる便利屋としてアピールには成功しました。
打撃でアピールできなくても、シーズン終了まで1軍に帯同したのは、レベルの高い守備力があるからです。
改めて、龍空選手の能力の高さを感じます。
ゴールデングラブ賞受賞のカギ
龍空選手がゴールデングラブ賞を獲得するには、イージーミスを減らすことが重要です。
ショートのポジションに就いていた際、時々何でもないイージーな打球を取りこぼす時があり、せっかくの高い守備力の評判を下げてしまっているように感じました。
全ての人の目を引く超スーパープレーが生まれる一方、イージーミスが減らない限り、ゴールデングラブ賞の獲得は難しいと考えています。
パ・リーグのショート部門でゴールデングラブ賞を獲得した西武ライオンズの源田壮亮選手は、球際の強さはもちろん、イージーミスをしないことで6年連続ゴールデングラブ賞に輝いています。
龍空選手も球際の強さ、守備範囲、球場を魅了するスーパープレイの数々でいえば、源田選手に負けていません。
セ・リーグの中でもトップだと考えています。
ショートからセカンドへのポジション変更がありましたが、個人的には龍空選手のダイナミックな守備が100%生きる環境はショートだと考えています。
ドラフト会議で2名の内野手が加入し、さらに競争は激しくなりますが、龍空選手なら熾烈なポジション争いを抜け出せる守備力を持っていると考えています。
龍空のポジションは?【まとめ】
龍空選手の2023年の成績を振り返り、ゴールデングラブ賞獲得に向けて書きました。
何度も言うようですが、超スーパープレーの数々は龍空選手だけがなせる技です。
すでにゴールデングラブ賞を獲得する守備力があり、守備率をみてもゴールデングラブ賞を獲得できる指標に到達しています。
残すはイージーなミスを減らすこと。
スーパープレーで失点を防ぐ一方、確実にアウトを重ねることも大切です。
2024年は熾烈なポジション争いが待っており、ショートもセカンドもレギュラーが確約されているわけではありません。
チームを救う守備力を持つ龍空選手をどのように起用するのか。
首脳陣の判断に注目が集まります。