日本のプロ野球は全部で12球団あり、セリーグとパリーグ6球団ずつに分かれています。
野球ファンであれば常識かもしれませんが、野球をあまり知らない人にとっては、セリーグとパリーグの違いがわかりにくいですね。
皆さんはどのような覚え方をしましたか?
そもそも、なぜ日本のプロ野球は2つのリーグに別れたのでしょうか。
元々メジャーリーグのような2リーグ制を目指していたという説もありますが、実際には方針の違いから分裂したというのが事実です。
戦後、プロ野球が再開されて間もない時期のため、新しい球団ができたり、セリーグとパリーグどちらに所属するかで揉めたりと、当時は大混乱だったようですね。
今回はセリーグとパリーグの覚え方や、2つのリーグに別れた理由などについて解説します。
セリーグとパリーグの覚え方!6球団ずつに分かれている
改めて整理すると、現在のプロ野球は以下のようなリーグ編成となっています。
セリーグ(セントラルリーグ)6球団
・広島東洋カープ(広島県)
・横浜DeNAベイスターズ(神奈川県)
・読売ジャイアンツ(東京都)
・東京ヤクルトスワローズ(東京都)
・中日ドラゴンズ(愛知県)
パリーグ(パシフィックリーグ)6球団
・千葉ロッテマリーンズ(千葉県)
・福岡ソフトバンクホークス(福岡県)
・東北楽天ゴールデンイーグルス(宮城県)
・埼玉西武ライオンズ(埼玉県)
・北海道日本ハムファイターズ(北海道)
覚え方は様々ですが、まず自分の好きなチームや、お住まいに近いチームがどちらのリーグなのか、というところから覚えていくと良いです。
なお、日本の大体真ん中あたりを境に東と西に分けると、セリーグは東西に3球団ずつですが、パリーグは東に4球団、西に2球団といびつな別れ方となっています。
以前パリーグには大阪府を本拠地としていた近鉄バファローズがありました。
しかし2004年にオリックスとの合併で消滅し、代わりに東側の宮城県を本拠地とする東北楽天ゴールデンイーグルスが新規参入したことにより、東と西のバランスが崩れています。
新規参入賛成と反対で意見が分かれ、2リーグ分裂へ
日本のプロ野球は1936年に始まりました。
当時は職業野球という名称で、1リーグ制・7球団で優勝を争いました。
1945年には戦争が激しくなり、この年、職業野球は中止となってしまいます。
しかし戦後の1946年からプロ野球と改称して再開され、瞬く間に国民的人気スポーツへと発展します。
その人気にあやかろうと、毎日新聞社や近畿日本鉄道、大洋漁業、西日本鉄道など、多くの企業がプロ野球参入を試みます。
しかし、日本野球機構の意見は新規参入に賛成派と反対派に別れました。
結果、賛成派が結束してパリーグを結成し、残る反対派が結束してセリーグを結成することとなりました。
なお、阪神は当初賛成派としてパリーグ所属予定でしたが、最終的に巨人との試合を優先し、セリーグに寝返っています。
それぞれのリーグはそれぞれ新球団を加え、1950年、セリーグ8球団・パリーグ7球団で日本初の2リーグでのシーズンを行いました。
当初はリーグ間の対立感情も根深く、この年はオールスターゲームを開催することが叶いませんでした。
その後、セリーグ・パリーグ共に球団の増減などをくりかえし、現在の6球団ずつと落ち着いています。
セリーグとパリーグの大きな違いは指名打者制
セリーグとパリーグの大きな違いは指名打者制ではないでしょうか。
指名打者制とは、ピッチャーの代わりに打撃のみを行う選手を先発メンバーに入れることです。
DHとも言われますね。
指名打者に選ばれたバッターは、守備にはつかず打撃に専念し、ピッチャーは打席に立たないで投球に専念します。
指名打者制を導入しているパリーグはピッチャーの代わりに指名打者が充てられ、ピッチャーは打席には立ちません。
しかしセリーグは指名打者制を導入していないため、ピッチャーも打席に立ちます。
つまり、その日のスターディングメンバー(打順1番から9番)を見て、ピッチャーが打順に入っていればセリーグの試合、指名打者が打順に入っていればパリーグの試合、という覚え方ができますね。
元々メジャーリーグで導入されていた指名打者制を、1975年からパリーグが導入しました。
しかし、セリーグは、野球は9人で行うものという従来の理念にこだわり続け、現在でも指名打者の導入には至っていません。
セリーグとパリーグの覚え方【まとめ】
今回は、セリーグとパリーグの覚え方や、その別れた理由などについて解説しました。
今ではリーグの垣根を越えた交流が盛んなプロ野球ですが、当初は感情的に対立していたことがよくわかりますね。
そのような経緯を知ることで、また現在のプロ野球の見方も変わってくるかもしれません。
自分が好きなチームはどちらのリーグなのか、またどのような理由でそのリーグに所属したのか、などを過去に遡って知ることで、また新しいリーグの覚え方が発見できるかもしれません。
現代のプロ野球の形になるまでには長い歴史があり、様々な由来があるものなのですね。