プロ野球を見ている多くのファンは、プロ野球ではバッターは木製バットを使用し、金属バットは禁止されていることをご存じかと思います。
日本のプロ野球だけではなく、メジャーリーグでも木製バットが使用されています。
高校野球では使用が許されている金属バットが、プロ野球では使用できないのはなぜでしょうか?
その一番の理由は、プロ野球で金属バットを使用すると、バッターが圧倒的に有利になってしまうからです。
その他、プロ野球ではバットにまつわるルールが細かく規定されています。
今回はプロ野球で金属バットではなく木製バットを使用するその理由について、詳しく調べてみました。
プロ野球選手が木製バットの理由は?金属バットで打つと打球が飛びやすい!?
プロ野球で木製バットが使用される理由はいくつかあげられます。
まず、金属バットでは打球が飛びやすいという理由は多くの人が気づかれると思います。
高校生の場合、身体能力も技術面もまだ未成熟なため、金属バットを使用することでその弱さをカバーできると言えます。
一方、プロ野球のバッターの鍛え抜かれた肉体や身体能力、技術では、その飛距離や打球の勢いなどが格段に変わってしまいます。
木製バットの場合、芯と言われる部分に球を当てることにより打球の勢いや飛距離が生まれます。
ピッチャーはその芯をうまく外すように投球に変化をつけたり、コーナーに投げ分け、バッターの打ち損じを誘います。
金属バットは性能上、バットのどこに当ててもある程度勢いのある打球が生まれるので、圧倒的に打者有利となりますね。
プロ野球選手が金属バットで打った打球は、投手や野手にとってはとても危険
もう一つの理由は、選手の安全面です。
先程述べたように、金属バットの場合、打球に勢いがつきすぎるため、守備についている選手や投手に危険が及びます。
特にプロ野球のバッターが金属バットでフルスイングした打球はすさまじいライナーで野手を強襲するでしょう。
それこそ命の危険が伴うかもしれませんね。
このように、選手の安全面を配慮するため、プロ野球では金属バットを禁止し、ルールとして木製バットを使用することとなっています。
金属バットは経済的!?高校生が金属バットを使う意外な理由
意外な理由として、経済的な理由もあげられます。
木製バットの場合、芯を外すとどうしても折れてしまうリスクがあります。
プロ野球と違い、高校野球の場合は資金面においては限界があります。
そのため、折れにくく、長い期間使い続けられる金属バットを使用することにつながっています。
ちなみに、高校野球でも木製バットを使用することは禁止されていません。
かつて星陵高校の4番打者として甲子園を沸かせた松井秀喜選手はもちろん金属バットを使用していました。
しかし、その高校生離れした風貌や素質から、「プロ野球選手が金属バットを使っているようだ」と言われたことがありました。
松井秀喜選手ならば、高校時代から木製バットで打ってもスタンドへ放り込んでいたことでしょうね。
木製の他にも長さや色など、時代によってバットには様々な規程がある
プロ野球選手が使用するバットに関しては、木製バットを使用するというだけでなく、その形状など、様々な規定がなされています。
最も太い部分の直径が2.61インチ (6.6cm) 以下、長さは42インチ (106.7cm) 以下と決められています。
芯の部分にコルクを詰めるなどの細工をしたバットは当然禁止されており、メジャーリーグの大打者サミー・ソーサがバットを折ってしまった際に発覚し、退場処分を受けたこともありました。
カラーバットは一時期禁止されていましたが、2002年から自然色の他に、こげ茶、赤褐色、黒の3色が認められました。
かつて戦後のプロ野球界では「赤バットの川上・青バットの大下」のように、人気選手がバットの色と合わせて認知されていた時代もありました。
21世紀に入り、久々に復活したということになりますね。
また、初代ミスタータイガースと言われる藤村富美男選手が使用した、規定ぎりぎりの長さのバットが「物干し竿」と呼ばれ、藤村富美男選手の代名詞になりました。
昔からプロ野球の世界では、大打者にまつわるバットについての話題は事欠かないようです。
プロ野球が木製バットの理由は?【まとめ】
プロ野球で金属バットが禁止されている理由について、詳しく調べてみました。
バットは、特に打者にとっては一番大事な商売道具です。
木製バットは金属バットと比べると打球を飛ばしにくいと思われがちです。
しかし、スイングの質や、バットに打球を当てるポイント・角度など、細かな技術を発揮することで、その打者の能力を最大限に表出してくれます。
まさにプロの技術ですね。
プロ野球の世界では、こういった極限の技術の攻防が、緊迫した試合を生み出すことになります。
金属バットにはない木製バットの奥深さを感じながら、プロ野球の技術を堪能しましょう。